8月26日、カナダでのアイアンマンに出場し、
無事完走して帰ってきました。
思い返せば 2009年のアイアンマン ジャパンはDNF
2010年のジャパンは 口蹄疫のため中止
その代替のチェジュは 荒天のためスイム中止で バイク&ランに。
え?初めて?って言われることが多いけど
正真正銘のアイアンマンになれたのは 初めてなんです。
スロットを狙えるようなレースではなく、
しかも かなりの練習不足。
最低限 完走、
目標タイムは13時間以内
こんな臨み方でしたが、
レース前後も含め、大いに楽しめましたCANADA!
記憶が遠くならないうちに レースをふり返ります。
SWIM 3.8km 1:20:11
水温は20℃前後。
前日の試泳では ホットバルムを体に塗りたくったが
実際泳ぎだせばなんとかなりそうなのと、カッカした感じが後まで残るのも嫌だったので
お腹周りに少しだけ。
2600人余が一斉にスタートするが、
スタートラインが横にだだっ広いので、大外の、そこそこ前の方に陣取る。
ここ2年ほど スタート後のパニックからはご無沙汰してるけど
もちろん アップはガッツリしておいた。
仲間ともエールを交わして、いざスタート!
バトルもほとんどなく
湖なので もちろん波もなく
水温も ひんやりしてむしろ心地よく
魚や藻が見えるほど 透明度も高い。
3.8kmを時計回りに1周。
目指す最初のブイは遠すぎて見えないが
100m毎の小さなブイをひとつひとつ越えていく。
スイムは1時間30分かかるかな、と目論んでいたけど
穏やかな湖に助けられ、目標クリア。
T1 8:20
スイムから上がると 「wet suits peeler」なるボランティアの方たちが待ち受けていて
2人がかりでウェットを脱がしてくれる。
ウェットを脱いだとたん、寒くて震えが止まらなくなった。
SWIM TO BIKE ギアバックを受け取り、着替えテントへ。
ガタガタ震えながらタオルで体を拭く。
濡れたトラウェアはそのままなので仕方ない。
アームウォーマーをつけるか 一瞬迷った。
でも晴れてるので、ナシを選択。
補給のジェルを摂って 日焼け止めを塗って、GO!
BIKE 180km 6:50:27
タフなコースと聞いていた。
コース高低差のグラフには 大きなアップダウンが3つ。
登りが遅いのはどうにもならないので
平地と下りはガンガン行こう!
そう思ってバイクを漕ぎだす。
市街地を過ぎる頃には 体も温まってきた。
この日の補給は
DHバーのボトルにドリンク
股下ボトルには miniベスパ6個とカーボショッツ(wild bean)5個を混ぜたもの
bento boxに 梅干し2個、小さいおにぎり3個、パワーバー(予め小さくカット)。
ドリンクはこまめに摂り、
ボトルのジェルと 固形の補給を 30分置きくらいに交互に摂る。
そんな予定で。
前半は カナダの美しい景色を楽しみながら
ほぼフラットなコースを調子良く走る。
ラクに30km/hを越えるので あら私ずいぶん速くなったもんだ、と思ったら
後から聞けば 追い風だったらしい。
最初の大きな上りでは、蛇行する人や 接触して落車する人が続出。
上りが大変なのは皆同じなのね。
海外のレースでは 抜かし抜かされる時に 声をかけあうことが多い。
この日も「 I love your bar tape!」とか「Where are you from?」とか
その他 聞き取れない英語で話しかけられること度々。
日本人は体が小さいから かなり若く見られるようで、
ふくらはぎに書かれた自分の年齢に いろんな人に「Really???」と言われた。
(かなり嬉しい)
こんなやりとりも、長い長い180kmという距離を忘れさせてくれる。
さて120km過ぎから始まる 2回目の長い登り。
本当に長くて、しかも結構急。
でも そんな所には 山ほどの応援!
ツールドフランスさながらに、大声で、陽気に応援してくれる。
苦しいけど、思わずニコニコしちゃう。
140kmあたりのエイドで、何回目かのドリンクボトルを受け取る。
前のボトルに中身を移し、ボトルを捨てたその後に気づいた、
移したつもりの水が 移ってなかった。
飲みたい時に 水がない、
これはピンチ。
次のエイドまで、股下のジェルで凌ぐしかない。
幸い、脱水にもならずに済んだが
この時ほど エイドが待ち遠しかったことはない。
水のことで頭がいっぱいなうちに 3つ目の登りを越えて、
あとは下るだけ。
得意の下りなのに 今ひとつスピードが出ず
さっきの水切れが応えたかな〜と思ったら
後から聞けば向かい風だったようだ。
ペンティクトンの町に帰ってくると また沿道の大声援。
ここの町の人たちは もう30年もこんな光景を観てきているのだ。
パンクもせず、落車もせず、無事にバイクを終えられてよかった。
T2 6:31
ボランティアの人にバイクを渡し、ギアバックを受け取り、テントへ。
ここでもボランティアの人が世話をしてくれる。
ギアバックの中身を出したり、脱いだヘルメットをギアバックに入れてくれたり。
その間も「You did it!」「Good job!」と絶えず声をかけてくれて
まだランがあるというのに ホッとして泣きそうになってしまった。
RUN 42.195km 5:11:37
ラップを刻む走りができないのは予測してたので
歩かないように。
これだけを念頭に走り出す。
ランスタート時に 8時間半近く経過してたので
今回の目標タイムである13時間、
これを切るには4時間半で走る必要がある。
昨年の宮古で4時間45分かかってるから、さあどうかな〜。
補給はゼッケンベルトにつけたジェル4個。
あとはエイドでフルーツをいただくつもり。
さて走りだして10kmも行かないうちに、左の足裏が痛みだした。
一昨年の常滑を思い出す。
あれに懲りてインソールをオーダーし、その後は痛むことがなかったのに。
痛いものは仕方ないので 止まってシューズを脱いで足裏をマッサージ。
これを数キロごとに繰り返した。
湖畔を往復する なだらかなアップダウンだけのコース。
歩いてる選手も多いけれど、このペースでは抜かれる方が多い。
折り返して後半は 足裏の痛みも消えて 動きが良くなった。
けれど 次なる試練。
甘ったるいジェルに飽き飽きして
エイドのオレンジやスイカやバナナを むしゃむしゃ食べ続けたら
今度は お腹が痛くなってきた。
エイド近くのトイレに行くこと3回。
またしても大幅なタイムロス。
回らぬ頭で どう計算しても 13時間切りは無理。
陽も沈み 暗くなってきたので
市街地に戻った頃 サングラスを外した。
暑さにやられることがなかったのが 本当に救い。
夜になり、ますます涼しくなって やっと調子が出て来た。
あと3マイルの所で 後ろから颯爽と飛ばしてきた仲間に抜かれる。
度付きサングラスを外してるので 小さくなる後ろ姿がすぐ見えなくなった。
でも そこからまた ペースアップ。
Good job!!
You're almost there!!
Ironman!!
沿道から ものすごい声援。
涙がこぼれる。
ゴールまでのまっすぐな道では おそらくキロ5分くらいで走れた。
そして笑顔でゴール。
Overall : 13:37:06
第30回のIRONMAN CANADA
来年から IRONMANの冠が外れ、チャレンジシリーズになってしまうそう。
でも 最高のボランティア、最高の地元の応援は
これからもレースを支えてくれるにちがいない。
レース翌日は ペンティクトンのワイナリーを訪問。
仲間たちと 美味しいワインで乾杯した。
反省すべき点はたくさんあるけど
最高でした、CANADA!